今日的な課題への対応38「学習のとびら」や「利用の節」,「学びをいかそう」などでは,社会や様々な職業に関連する題材を豊富に扱っています。自然災害や防災・減災教育に関する題材を取り上げ,防災意識を高められるようにしています。キャリア教育防災教育発展発展ページ()解答54けいたさんとかりんさんは,明太子を製造する 工場にやってきました。これから,明太子が できるまでの流れを見学します。2章,3章見学しながら,クイズの答えを 考えてみてください明太子は,スケトウダラの 卵からつくられていて, 3年以上の魚が 卵をもちますスケトウダラの体長1年魚約16cm3年魚約26cm5年魚約36cm体が大きくなるにしたがって,卵も大きくなっていきます。卵20kgを塩づけをするために,8000gの食塩水を使うとき,必要な食塩の量は,何gですか。➡ 食塩水の濃度 ❶440g ❷560g ❸680g明太子100gの体積は,どのくらいでしょうか。 ❶15cm3 ❷150cm3 ❸1500cm3同じ割合で成長すると考えたとき,スケトウダラの8年魚の体長はどのくらいでしょうか。❶41cm ❷51cm ❸61cm900kgの明太子を製造したいとき,作業に必要な人数は,どのくらいになると考えられますか。1人増えるごとに,製造できる明太子の量が一定量増えていくとして考えましょう。 ❶33人 ❷35人 ❸37人参考明太子2卵20kgを塩づけをするために,3900kgの明太子を製造したいとき,4同じ割合で成長すると考えた1のう ど明太子の原料社会見学にいこう‒明太子ができるまで‒41~42けいたさんメモ● スケトウダラのお腹から 取り出した生の卵を 食塩水につけこむことで, プチプチとした食感になる。● 食塩水の濃度は7%くらいが 効果的だけれど,塩からいので, 5.5%にしている。● つぶつぶ感やおいしさを保ったまま,塩分を減らす ため,塩づけ技術の 研究をしている。かりんさんメモ● 日本で1年間に食べられる 明太子は約3万トンである。 この量を小学校の25mプール(25m×12m×深さ1.2m)に換かん算さんすると,およそ124杯分 にもなる。卵の解かい凍とう卵は冷凍された状態で運ばれてくるので,解凍庫で解凍します。卵をたるに入れて塩を加え,1晩かけてじっくりと塩づけします。人の目と手で,黒いうす皮を 取り除き,サイズを選別します。唐とう辛がら子しが入った調味液に,じっくりとつけこみます。重さを調整し,見た目をきれいに整えます。解凍された卵の表面についているうろこや骨などを洗い流します。1卵の洗せん浄じょう2塩づけ3異物除去・選別調 味計量・整形・包装456明太子のつくり方次に,明太子をつくる過程を紹しょう介かいします●2年 自分から学ぼう編 ページ41〜42●3年 自分から学ぼう編 ページ57〜58●1年 自分から学ぼう編 ページ35〜36発展発展4章変化と対応防災ページ()解答64緊急地震速報あまりゆれなくて よかったねなぜ大きくゆれる前に その情報が届くのかな?ある日,かりんさんがテレビを見ていると, 緊きん急きゅう地じ震しん速そく報ほうが流れたので,じょうぶな机の下に避ひ難なんしました。緊急地震速報について・地震が発生すると,すべての場所で同時に地面のゆれが 起こるのではなく,場所によってゆれはじめるまでの 時間が違ちがう。かりんさんは,緊急地震速報ではどのようにして ゆれが到とう達たつする時刻を推測しているのかが気になり, 緊急地震速報のしくみを調べました。場面の状況を整理し,問題を設定しようステップ11 地震が発生してからx秒間に,P波やS波の進む距離を ykmとします。P波とS波のそれぞれについて,xとyの関係を 式に表しましょう。2 地震の発生時刻は,何時何分何秒ごろと推測できる でしょうか。P波が気仙沼に到達するまでにかかる 時間をもとに考えましょう。見通しを立てて,問題を解決しようステップ2発展発展ページ()解答77~78災害から身を守ろう自分の地域で起きそうな災害を想定する逃げ地図をつくるこれからできることを考えるこれから起こるかもしれない災害を想定し,備えをしておくことは, とてもたいせつなことです。防災訓練には,避ひ難なん訓練や消火訓練など, 何かが起こったときにとるべき行動を学ぶ実技訓練と,ある条件を 想定してシミュレーションする図上演習という方法があります。ここでは,図上演習の1つである「逃にげ地図づくり」について紹しょう介かいします。 みなさんの町について,逃げ地図をつくり,防災について考えてみましょう。自分の地域で起きそうな災害を想定する逃げ地図をつくる1.危険な範はん囲いを囲もう地図を用意して,地域の防災マップなどをみて, 危険な範囲を囲みましょう。? 想定した災害が起きたとき,どんな場所が危険かな。? 危険な場所から逃のがれるために,どこに逃げればよいかな。津波によって浸しん水すいすることが 予想されている場所を囲もう危険な範囲を囲みましょう。のが自分の地域は海に近い場所にあるから, 地じ震しんで起こる津つ波なみを想定しよう 想定した災害が起きたとき,どんな場所が危険かな。道に色をぬるときに使うひもの長さは,お年寄りの方が歩くときの 速さを分速43mとしたときに,3分間で進むことのできる地図上の 道のりとします。1 ひもの長さについて,次の問いに答えなさい。⑴ 縮尺2500分の1の地図を使う場合, 用意するひもの長さは何cmでしょうか。⑵ 縮尺1000分の1の地図を使う場合, 用意するひもの長さは,縮尺2500分の1 の地図の何倍になるでしょうか。下の手順にそって,図1の道に色をぬりましょう。図1では, A,Bを避難場所とし,お年寄りの方が,分速43mで3分間に 進む地図上の道のりは,4cmです。地図の縮尺に よって,ひもの 長さは変わるね35~362011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に おいて,震源からの距離が153kmである気け仙せん沼ぬま(宮城県) でのP波とS波の到達時刻は,次のようでした。P波:午後2時46分42秒S波:午後2時46分59秒 (気象庁)このデータから,震源からの距離が173kmである 一いちの関せき舞まい川かわ(岩手県)にS波が到達するのは,何時何分何秒 ごろと推測できるでしょうか。ただし,P波の速さを7km/s,S波の速さを4km/sと します。かりんさんは,緊急地震速報のしくみを理解するために, 実際のデータをもとに計算してみることにしました。・地震のゆれには初期微び動どうと主要動がある。初期微動:伝わる速さの速い波(P波)による小さなゆれ主要動:伝わる速さのおそい波(S波)による大きなゆれ・P波の速さは約7km/s,S波の速さは約4km/sである。・P波,S波ともに,震源からの距きょ離りは,地震が発生してからゆれはじめるまでの時間に,比例している。・緊急地震速報は,震源の近くでP波を感知して すぐに,S波が各地に到達する時刻を計算し, S波よりも速い電気信号を使って,S波が 到達する前に情報を伝えるシステムである。5 ほかの地点では,S波が到達したのは,何時何分何秒 ごろと推測できるでしょうか。下の地図から読みとり,考えてみましょう。なお,地図中の地名は,当時の観測地名で,( )内は 震源からの距離を表しています。震源岩手大迫(206km)おおはさま宮城丸森(185km)宮城丸森(185km)川渡(199km)川渡(199km)一関舞川(173km)一関舞川(173km)気仙沼(153km)かわたびまるもり問題をひろげたり,深めたりしてみようステップ33 S波が一関舞川に到達するまでにかかる時間は 約何秒でしょうか。4 S波が一関舞川に到達するのは,何時何分何秒ごろと 推測できるでしょうか。レポート例57~582.避難場所を決めよう危険な範囲内にはなく安全だと思う場所や,地域で 決められている避難場所にシールをはりましょう。3.危険な場所に印をつけよう危険そうな場所や,通れなく なりそうな道に*をかきましょう。? 想定した災害が起こったとき,どんな危険があるかな。その危険から身を守るためには,具体的にどんな行動をとればよいかな。4.道に色をぬろう右の手順にそって,ひもと色鉛えん筆ぴつを使って, 地図の道に色をぬり,避難場所までの時間が わかるようにしましょう。色をぬり終わったら,どの方向に逃げた方が, 避難場所に近いのかを考えて矢印をかきましょう。これからできることを考える逃げ地図が完成したら,地域の防災について, 自分たちがこれからできることを考えてみましょう。浸水が予想されていない場所を 避難場所にしよう地震で橋が こわれるかも…道に色をぬる手順❶ 色をいくつか決めて,道にぬる色の順番を決める。❷ 地図のAから,ひもを道に合わせて,ひもの長さの分だけ, 道に1番目の色をぬる。また,地図のBからも,同じように, 道に1番目の色をぬる。❸ 1番目の色をぬり終えたら,1番目の色をぬった続きから, ひもを道に合わせて,ひもの長さの分だけ,道に2番目の 色をぬる。❹ 2番目の色をぬり終えたら,同じように,道に3番目の色をぬる。注意 道が分かれている場合は,すべての道に色をぬる。道の上に×が あるところは通れないので,×のところでぬるのをやめる。3分6分9分129m258m387m1番目の色2番目の色3番目の色AB図1「学びをいかそう」では,それぞれの学年に「社会見学にいこう」を配置しています。食べ物などができるまでの様子を楽しく紹介しながら,関連するクイズを数学を使って考えることができるようにしています。避難場所までかかる時間を,地図上で色分けして示す「逃げ地図」を題材に扱っています。1年 回転焼き2年 明太子3年 教科書
元のページ ../index.html#40