51連立方程式には,加減法と代入法の2つの解法があります。これらの指導順としては,加減法➡代入法,代入法➡加減法の2通りが考えられますが,この教科書では,加減法➡代入法の順序で構成しています。その理由は,次の通りです。いずれの順序で指導したとしても,加減法も代入法もどちらの解法も使えるようにする必要があります。また,連立方程式では,xを消去する場合も,yを消去する場合もあります。このように,連立方程式には様々な解き方がありますが,問題に応じて,解き方を自分で選択する力を身につける必要があります。この教科書では,「例題」のほかの解き方を考える「?」を置いたり,様々な解き方を考える「話しあおう」を置いたりして,多様な解き方に触れられる機会を多数用意しています。これらをくり返し目にすることで,最適な解き方を自分で考える力を身につけることができるようにしています。加減法は,イラストなどを提示することにより,同じものをひいて考えるという小学校での学習を想起することで視覚的にとらえやすい。加減法では,計算過程で代入法のように係数が分数になることが基本的にはないため,分数に苦手意識をもっている生徒も受け入れやすい。解き方を自分で選択する力を身につけるための工夫・2章 連立方程式●2年 みんなで学ぼう編 p.42●2年 みんなで学ぼう編 p.44●2年 みんなで学ぼう編 p.45●2年 みんなで学ぼう編 p.43●1加減法の手順に従うことによって,中学校で学習する範囲の連立方程式を形式的に解くことができ,生徒は安心感が得られる。●2●342両方の式を何倍かする解き方次の連立方程式を解きなさい。 3x+4y=5 ……① 4x+5y=6 ……②解答①×4-②×3 12x+16y=20- 12x+15y=18 y=2y=2を①に代入すると, 3x+8=5 3x=-3 x=-1 (x,y)=(-1,2)xの係数が 12にそろったね?yを消去して解くとどうなるかな。例題11つの文字を消去するために,①,②の二元一次方程式の両辺を それぞれ何倍かして,一方の文字の係数の絶対値をそろえます。考え方問5 次の連立方程式を解きなさい。 ⑴ 3x+2y=8 5x-3y=7 ⑵ 6x+4y=2 7x-3y=-13 ⑶ 9x-2y=11 4x-5y=9p.185 2代入法1つの文字を消去する方法は,加減法だけではありません。 y=x-2 ……① 5x+3y=18 ……②数を代入するときと同じように, ②のyに①のx-2を代入すると,5x+3(x-2)=18これを解くと, x=3この値を,①のxに代入すると,y=1よって, (x,y)=(3,1) 5x+3y=18 5x+3(x-2)=18yにx-2を 代入する式を代入して解くこと例35101520いろいろな連立方程式の解き方を学びましょう。かっこがあったり,係数が整数でなかったりする連立方程式の 解き方について考えましょう。次の連立方程式を解きなさい。 4x-y=13 ……① 2x-3(1-y)=0 ……②解答②から,2x-3+3y=0 2x+3y=3 ……②'①×3+②' 12x-3y=39+ 2x+3y=3 14x =42 x=3x=3を①に代入すると, 12-y=13 -y=1 y=-1 (x,y)=(3,-1)かっこをはずすときは 符ふ号ごうに注意しようかっこがある連立方程式の解き方例題3②の式を,かっこをはずしたり移項したりして, 整理します。考え方?ほかにどんな解き方ができるかな。y=4x-13だから…2x=3(1-y)だから…問8 次の連立方程式を解きなさい。⑴ 3(x+y)=2x-1 x+y=-5 ⑵ 4x+7y=39 2(x-y)=3x+3y⑶ 3(x+2y)=5(x-4) x+3y=-2 ⑷ 2x-(x+7y)=13 2(x+3y)-5y=-4p.186 4510152043連立方程式2章加減法と代入法の計算の方法は異なるが,1年生で学んだ方程式にするために,どちらも 1つの文字を消去して,連立方程式を解いている。?加減法で解く方法とくらべてみよう。このように,代入によって1つの文字を消去する 方法を 代だい入にゅう法ほう といいます。問6 次の連立方程式を,代入法で解きなさい。⑴ 9x-2y=12 y=3x ⑵ x=-5y+4 2x+y=-1式を変形して代入する解き方次の連立方程式を,代入法で解きなさい。 y-x=6 ……① 3x+2y=17 ……②解答①をyについて解くと,y=6+x ……①'①'を②に代入すると,3x+2(6+x)=17 3x+12+2x=17 5x=5 x=1x=1を①'に代入すると,y=7 (x,y)=(1,7)文字に多項式を代入するときは,かっこをつけて代入しよう例題21つの文字を消去するために,一方の式を1つの文字に ついて解き,それをもう一方の式に代入します。考え方問7 次の連立方程式を解きなさい。⑴ y-x=4 5x-3y=2 ⑵ 3x+2y=-11 3y-x=0p.186 3話しあおうあなたは,次の連立方程式を どのように解きますか。いろいろな解き方を考えてみましょう。 y=4x-11 ……① 8x-3y=25 ……②1つの文字を 消すためには……①を3倍 すると……510152045連立方程式2章係数が整数でない連立方程式を,これまでに学んだ係数が整数である方程式になおして 解いた。係数に分数がある連立方程式の解き方次の連立方程式を解きなさい。 x=2y+5 ……① x3-y2=2 ……②解答②×6 2x-3y=12 ……②'①を②'に代入すると, 2(2y+5)-3y=12 4y+10-3y=12 y=2y=2を①に代入すると,x=9 (x,y)=(9,2)例題4分母をはらって,xやyの係数を整数にします。考え方(x3-y2)×6=2×6右辺も6倍しよう?①を②にそのまま代入して解く方法とくらべてみよう。問9 次の連立方程式を解きなさい。 ⑴ x4-y5=1 3x+4y=-52 ⑵ 4x+y=10 23x+y7=2 ⑶ x+y=11 8100x+9100y=1 ⑷ x2-y4=1 x3+y2=2p.186 5話しあおう次の連立方程式を解きましょう。どんなくふうが考えられるでしょうか。⑴ 0.3x+0.4y=0.5 x-2y=-5 ⑵ 0.1x+0.04y=15 3x-2y=50⑶ y=-x+2 0.5x+y=2.5 ⑷ -20x+10y=10 500x=200(y-3)係数を整数に できないかな51015学年別の特色2年
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