573年 図形領域には,大きく分けて「図形と相似」,「円の性質」,「三平方の定理」の3つの内容があります。これらの配列についてはいくつかのパターンが考えられますが,この教科書では,「図形と相似」➡「円の性質」➡「三平方の定理」の順に単元を配列しています。学びのつながり,時間配当などにも配慮した単元配列・5章 図形と相似・6章 円の性質・7章 三平方の定理●2年の図形学習とのスムーズな接続2年では,三角形の合同条件を使って,図形の性質を証明することを学んでいます。相似な図形の性質や三角形の相似条件などは,既習事項である三角形の合同の学習内容と関連させて考察することができるので,「図形と相似」を3年の図形学習の最初に配置しています。●生徒の理解のしやすさに配慮円周角の定理の証明では,場合分けを扱います。円周角の定理の証明については,「証明できることを知ること」が目標であり,すべての場合をつくすことの意義や,証明における場合分けの必要性の理解までは求められてはいませんが,3年の図形の学習で最初に扱う証明としては,生徒にとってハードルが高いことが予想されます。そのため,3年の図形学習の最初には「図形と相似」を扱っています。●高校入試を控えている学年であることにも配慮「図形と相似」は,学ぶべき内容が非常に多い単元です。高校入試を控えた3年の場合,このように分量の大きい単元を早い時期に扱うほうが,全体として柔軟に時間配当を行うことができるメリットがあります。また,「三平方の定理」は,高校入試にもそれを用いる題材が多いので,高校入試に近い時期に学習できるようにしています。●相似の学習の負担軽減相似の内容は,円の性質とも関連する部分があります。相似と円の融合問題は,「6章 円の性質」で扱っています。これにより,相似の学習をスパイラルに行うことができます。また,相似の学習内容が膨らむことを避け,時間配当の上でも学習する生徒の負担感が減るように配慮しています。円周角の定理を利用した証明?違ちがう角を選んで相似を証明することができるかな。相似であることを示すために,円周角の定理を 使って,等しい角を見つけます。考え方右の図のように,2つの弦げんABとCDが, 円内の点Pで交わるとき,△PAC∽△PDBであることを証明しなさい。PCADB証明△PACと△PDBで, ⌒CBに対する円周角だから,∠CAP=∠BDP ……①⌒ADに対する円周角だから,∠ACP=∠DBP ……②①,②から,2組の角が,それぞれ 等しいので,△PAC∽△PDBPCADB円周角の定理を利用した証明例題1問5 右の図で,△ABE∽△ACDであることを証明しなさい。CE25252525510152年 三角形の合同条件3年 三角形の相似条件●2年 みんなで学ぼう編 p.110●3年 みんなで学ぼう編 p.174●3年 みんなで学ぼう編 p.127127図形と相似5章問1 前ページの△DEFを,(イ),(ウ)の方法でかきなさい。(イ) (ウ)FEFEこれまでに調べたことから,次のことがいえます。△ABCと△DEFで,⑴ AB:DE=BC:EF=CA:FDならば,△ABC∽△DEF⑵ AB:DE=BC:EF,∠B=∠Eならば,△ABC∽△DEF⑶ ∠B=∠E,∠C=∠Fならば,△ABC∽△DEF注意 上の⑴で,AB:DE=BC:EF=CA:FDは,3つの比AB:DE, BC:EF,CA:FDがすべて等しいことを表しています。(ウ)の方法では,辺の比に 関係なく,2組の角が 等しければ相似になるね2つの三角形は,次のそれぞれの場合に相似である。❶3組の辺の比 が,すべて等しいときBAA'CB'C'AB:A'B'=BC:B'C'=CA:C'A'❷2組の辺の比とその間の角 が,それぞれ等しいときBAA'CB'C'AB:A'B'=BC:B'C',∠B=∠B'❸2組の角 が,それぞれ等しいときBAA'CB'C'∠B=∠B',∠C=∠C'三角形の合同条件と くらべてみよう三角形の相似条件51015110これまでに調べたことをまとめると,次のことがいえます。2つの三角形は,次のそれぞれの場合に合同である。❶3組の辺 が,それぞれ等しいとき❷2組の辺とその間の角 が,それぞれ等しいとき❸1組の辺とその両りょう端たんの角 が,それぞれ等しいときBAA'CB'C' AB=A'B' BC=B'C' CA=C'A'BAA'CB'C' AB=A'B' BC=B'C' ∠B=∠B'BAA'CB'C' BC=B'C' ∠B=∠B'∠C=∠C'三角形の合同条件問4 下の㋐~㋖の三角形を,合同な三角形の組に分けなさい。また,そのとき使った合同条件をいいなさい。3cm4cm3cm3cm4cm4cm3cm3cm3cm4cm2cm3cm2cm70º70º50º50º40º50º70º40º㋐㋑㋒㋓㋔㋕㋖p.190 8問5 右の図で,線分ABとCDが,AE=DE, CE=BEとなるように,点Eで交わっています。この図で,合同な三角形の組を, 記号≡を使って表しなさい。また,そのとき使った合同条件をいいなさい。ADCBEp.190 9510学年別の特色3年
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