指導書のご紹介理科における小・中学校間の連携について11小中連携のめざすもの❶中1ギャップ小学校から中学校への進学後,新しい環境での学習や生活へうまく適応できない状況(中1ギャップ)が問題視されている(図1)。図1小中の落差例(第96回中央教育審議会配布資料(2014(平成26)年12月)より改変)[件]2000018428200852088920503273628882件(48%)増92005622187639100000小学校中学校高等学校12345612312342042035021868618480学年別いじめの認知件数[人]4000030000200001000011504291612714380人(180%)増0小学校中学校123456123801022390343163873618062791学年別不登校児童生徒数[人]120008000400014445737965人(132%)増0小学校中学校高等学校123456123123413526113954955331017725003430250985617841277暴力行為の加害児童生徒数5.925.466.356.231.846.338.511.829.141.621.942.119.431.29.52.53.13.56.77.4小4小5小6中1中2当てはまるどちらかといえば当てはまるどちらかといえば当てはまらない当てはまらない-10.1ポイント-14.5ポイント授業の理解度(理科の授業はよくわかる)「小中連携」という言葉がささやかれて久しい。一連の義務教育課程の中で,学校間のつながりをたいせつにしようする試みは,近年全国的に進められている。2005(平成17)年1月発行の「義務教育に係る諸制度の在り方について(初等中等教育分科会の審議のまとめ)」の中には次のような記述があり,これが2017(平成29)年改訂の学習指導要領にも反映されているものと考えられる。教育の目標や実際の教育活動において小学校と中学校とが分離され,それぞれの中での完結が強く求められるあまり,義務教育9年間全体を通しての目標や達成すべき水準が充分に意識されず,また,小学校と中学校との間の連携や教育の一貫性が弱くなりがちとなっていることなどの反省を踏まえ,義務教育9年間を見通した目標について検討を行う必要がある。(2義務教育の目的,目標⑵義務教育の目標より)文部科学省の調査結果では,いじめや不登校,校内暴力の件数は,中学校に入った途端に急激に増加している。また,学習内容に対する理解度も,小学校段階と中学校段階とでは大きな落差がある。これは,学習内容が難しくなるためだけではなく,思春期の難しい時期に,卒業や入学などを経て学習方法や指導原理の異なる新しい環境に入る際の移行が円滑に行われていないことも背景の一つではないかと考えられる。(3義務教育制度の改革の方向⑷学校の区分,学校間の連携より)このような小中間での落差は最近でも解消されておらず❶,それへの対応や,義務教育9年間を見通した計画的・継続的な学力・学習意欲の向上といった観点から,小中一貫教育の研究・実践が全国的に進められている。さらに,学校教育法が改正され,小中一環教育を実施する新学校種として義務教育学校の設置が2016(平成28)年度から可能となった。理科における小・中学校の連携を考えるうえで,それぞれの理科の目標や学習内容のつながり,指導法の違いを明確にしておくことはたいせつである。そこではじめに,これらの違いについて児童・生徒の発達段階を踏まえて説明する。その後,小中連携のあるべき姿を探り,最後に教科書での扱いについて触れることにする。理科における小・中学校間の連携について95理科における小・中学校間の連携についてカバーガラスはペトリ皿に入れて配付。実験の前後で枚数を確認。90置き忘れたカバーガラス 実験前に,必ず生徒に机の上に異物がないかを確認させる。カバーガラスを配付するときには,班ごとに必要枚数をペトリ皿に入れて配付するようにし,実験の前後でカバーガラスの枚数を確認する。また,事故を防ぐという面からも,実験中に器具を破損した場合は教師に申し出るように説明する。 傷口にガラスの破片が入っていないか確認し,傷にごみなどが入っていたら流水で洗い流し,滅菌ガーゼなどをあて,保健室で手当てをする。傷の程度により,医師の診断を受ける。1 ~ 3 年事故と応急処置E事故事例と防止策生命 事故原因・事故防止策万が一起こったときの対応教科書の構成と特色や指導計画の作成,新しい評価についての考え方などを解説しています。授業研究に役立つ解説書です。総説(本冊)観察・実験における注意事項や理科室の安全管理などをまとめています。事故事例とその防止策をイラストつきで解説しています。別冊 安全ハンドブックガスバーナーを使った加熱実験などの危険を伴う実験について,正しい方法と誤った方法を動画で紹介することで,注意点を確認することができます。安全指導のための実験動画集収録動画の例啓林館の指導書は先生方の忙しさを 第1部 総説総説(本冊)別冊:安全ハンドブック+付録CD第2部 詳説(各1~3年)詳説(本冊)+付録DVD別冊:観察・実験編別冊:探Qサポート編*掲載している紙面は制作中のため,変更になる場合があります。理科は授業の準備が大変な教科です。啓林館の指導書は充実のラインナップで先生方の日々の指導をサポートします。理科教育のガイダンスとなる解説書です。新任や若手の先生の教科研究に役立つだけでなく,教員指導にあたられる先生にもご活用いただける内容です。第1部 総 説付録CD76
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